◆WORD
多角的に描かれる人間ドラマ、
戦火の下で描かれる復讐の物語
聖歴1853年、蒼き革命と呼ばれる産業革命を経た、帝国主義の時代。
“死神”と呼ばれる超常的存在「ヴァルキュリア」を擁し、
圧倒的軍事力を持つ列強の一角ルーシ帝国。
帝国が画策する植民地支配の目論見、これをいち早く戦争という手段に踏み切って打破し、
祖国ユトランドを救った5人の若者たちは、
復讐という私怨で国家を欺いた“大罪人”として処刑された。
後の歴史は問う-
彼らは英雄か、
それとも罪人か。
◆プロローグ
「蒼き鉱石」がもたらす「咒術」
謎多き蒼き鉱石「ラグナイト」を源とした
魔法的な力は「咒術」と呼ばれ、人々に様々な恩恵をもたらしていた。
その一部の才能あるものが行使していた「咒術」を「咒工業」として工業化し、
誰にでも扱えるものとする産業革命“蒼き革命”が起こる。
「蒼き革命」により、世界は一変した。
「咒工業」の導入による産業と社会構造の変革は、
人類の歴史をも、その資源たる「ラグナイト」をめぐる、
“戦いの歴史”へと変えさせた。
「帝国主義」時代の幕開けである。
その戦いは「解放」か、「復讐」か。
「蒼き革命」からおよそ一世紀後の聖暦1853年、
ヨーロッパの南に位置する小国「ユトランド」が、列強に数えられる北方の大国「ルーシ帝国」の基地を強襲した。
ルーシ帝国主導による列強の経済封鎖により困窮したユトランドは、
「列強の植民地支配からの独立・解放」を掲げ、「ルーシ帝国」へと宣戦布告し、
「ヴァルキュリア」を擁する帝国との戦争へと突入していく。
後に「奇跡の解放戦争」と称されるこの戦いを主導した若者たちは、
歴史上「大罪人」と断じられた。
「解放」を謳う戦いの裏には「復讐」という私怨があった──。
それは、侵さなければ果たせない物語。